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Illustrator CC 2014は、Illustrator CCの設定を引き継げない、という悲しい状況に際し、環境の移行についてまとめてみました。
追記
「設定の同期」は、CC 2015の11月アップデートにて廃止されてしまいました(Illustratorだけでなく、InDesign、Photoshopも)。
ただし、Illustratorのみ、個別の設定の書き出し/読み込みは残っています。
環境の移行
Illustratorでは、キーボードショートやパネル位置などの環境設定のほか、スウォッチ、グラフィックスタイルなどのライブラリ、文字組みや合成フォントなど、さまざまな設定がありますが、次のような場合に、クリアしたり、リストアできると便利です。
- 設定のクリア:Illustratorが不調なときに、デフォルトに戻して原因の切り替えを行いたい
- 設定のリストア:コンピュータを買い換えたり、OSを再インストールしたとき、グループワークを行っているチームで環境を揃えたいとき
このような作業は煩雑で手間でしたが、Creative Cloud版のIllustratorでは、同じアカウントでログインした同士の環境を揃えたり、設定を書き出し、アカウント以外にも読み込まれることが可能になっています。
まとめると、環境を移行したり、統一化するには、次の3つの方法があります。
- 設定の同期(Creative Cloudのみ)
- 個別の設定の書き出し/読み込み(Illustrator CC(17.1)以降のみ)
- マニュアルでちまちまと移行する
設定の同期
Illustrator CCをはじめ、Photoshop CC、InDesign CCなどのCreative Cloudツールの多くには「設定を同期」機能が用意されています。
パネルの位置やキーボードショートカット、ブラシなどの設定情報をクラウドに保存し、任意のタイミングで同期を行うことが可能です。
CCとCC 2014の互換性がちょっとトリッキーなことになっています。
- ドキュメントのバージョン(互換性)
- 「同期の設定」
- 「個別の設定」(書き出し/読み込み)※Illustratorのみ
ドキュメント | 同期の設定 | 個別の設定 | |
---|---|---|---|
Illustrator | 互換 | 互換性なし | 互換性なし |
Photoshop | 互換 | 起動時に「プリセットを次のバージョンから移行しますか?」というダイアログボックスが表示される | - |
InDesign | CS2014で保存したドキュメントは CCでは開けない |
| - |
理想
- アプリケーションごとに異なる対応でなく、設定の移行方法が揃っている方が望ましい
- Illustratorの「個別の設定」のように、明示的に設定を保存できるとナイス
- 「設定を同期」で扱える項目が、Illustrator、Photoshop、InDesignでもう少し共通化して欲しい
ご参考:
Illustrator CC 2014のいいな〜と思うところのひとつが「新機能をオフにできること」です。ちょっと後ろ向きの方向性ですが、現場では大事。
新しいツールやワークフローは慣れるまで生産性が下がるので、時間のあるときに、じっくりいじってから導入したいという方に向いています。
ペンツールのラバーバンド
Illustrator CC 2014では、ペンツールの描画時に「ラバーバンド」と呼ばれるプレビュー機能が付きました。ペンツールに慣れていない方には喜ばれそうですが、その反面、ベテランユーザーには“まどろっこしく”感じるかもしれません。
ペンツールが使いにくいよ? 使いにくいよ…
— カワココ (@kawacoco) 2014, 6月 22
その場合には、環境設定の[選択範囲・アンカー表示]カテゴリの最下部、[ペンツールのラバーバンドを有効にする]オプションのチェックをはずします。
Illustratorで文字を入力する際に、オブジェクトのパス上でクリックして「エリア内テキスト」のテキストボックスに変わってしまったというミスはありがちです。
あとで気付いたときに、空(カラ)のテキストオブジェクトを削除しようとすると、「オブジェクトが消去できません」とアラートが表示されて削除できないという現象が起こると、質問をいただきました。
検証したところ、空(カラ)のテキストオブジェクトが他のオブジェクトとグループ化されている場合に起きるようです。
「CC 2014」に関して知っておきたいことをまとめました。
- アップデートすると、別途インストールされる。これによって、Illustratorだと、CS6、CC、CC 2014を共存できる
- CC、CC 2014では、内部のバージョン番号がひとつあがっている。Illustratorでは17→18、Photoshopは14→15、InDesignは9→10
- Illustratorの場合、CCもCC 2014もドキュメントバージョンは同じCC。しかし、「同期の設定」はCCとCC 2014で同期できない
- InDesignは、CCとCC 2014では互換性がないが、アイコンはまったく同じ
- Creative Cloudは最大2台のパソコンまでインストール可能だが、6月19日から「同時使用」は不可能になった…(参照リンク)
- Adobe Sketch、Adobe Line、Adobe Photoshop Mixの3つのiPad向けアプリがリリースされた(すべて無料)
- iPad用ペン Adobe Ink とデジタル定規 Adobe Slideが一足先にアメリカで199ドルで発売(コードネーム「Napoleon」でした)(アドビ、iPad用ペン Adobe Ink とデジタル定規 Adobe Slide 発表。対応SDKも提供 - Engadget Japanese)
- Adobe Inkは、Jot Touch with Pixelpointと同じもので、日本でも購入可能
- 「写真家向けプログラム」は期間限定、数回の延長を経てフォトグラフィプランとして継続
- Extension Managerは、CC版とCC 2014版が別ではなく、ひとつのExtension Managerで管理する
- BridgeはCCのまま。ただし、6.0.1.6から6.1.0.115にアップしている