【鷹野雅弘】による最近のブログ記事
InDesignファイル(.indd)は下位互換性がないため、新しいバージョンで保存してしまうと古いバージョンでは開けなくなります。
InDesign CS4以降、IDML(InDesign Markup形式)というフォーマットで書き出すと、ひとつ前のバージョンで読み込むことができます。ただし、これは応急処置的なものと捉え、なるべく頼らないのが無難です。
InDesign CS6からは、別名保存のダイアログボックスで「IDML」を選べるようになりました(これまでは[ファイル]メニューの[書き出し])。さらに、「InDesign CS4以降(IDML)」のように、"ひとつ前"のバージョンでなく、InDesign CS4まで対応していることを明記しています。
表にまとめてみました。
作成バージョン | 方法 | フォーマット | 読み込みバージョン | |||
---|---|---|---|---|---|---|
InDesign CS3 | InDesign CS4 | InDesign CS5 | InDesign CS5.5 | |||
InDesign CS4 | 書き出し | INX | ||||
書き出し | IDML | |||||
InDesign CS5 | 書き出し | IDML | ||||
InDesign CS5.5 | 書き出し | IDML | ||||
InDesign CS6 | 別名で保存 | IDML |
DTP Transitでは、以前からシニアデザイナーの老眼問題を扱ってきました。
これの解決策のひとつがRetinaディスプレイです。
2012年6月にMacBook Pro Retinaディスプレイモデル というものが発売されましたが、これが素晴らしい。
ずっと裸眼で生活してきて、突然、コンタクトレンズを付けた感じ。
多くのセミナーでは、XGA(1024×768ピクセル)が基本ですが、最近、WXGA(1280×800、1366×768)のプロジェクターが増えてきました。
比べてみるとこれだけ違うので、XGAで作ったスライドをWXGAのプロジェクターに投影すると、左右の余白が結構気になります。
ちなみに、MacBook Airの11インチモデルの標準解像度は1366 x 768ピクセル(16:9)。その他のMacBookは、16:10です。
かつて、DTP業界には"奇数バージョンのIllustratorは買うな(使うな)"という格言がありました。
ある意味、Illustratorは5.5(CSでなく、1994年発売のIllustrator 5.5)で完成しているといえますが、チャレンジングな改良を行うことでバギーだったりしたことを揶揄したものです。
- Illustrator 7.0(RGBサポート)
- Illustrator 9.0(透明・アピアランスのサポート)
- Illustrator CS(テキストエンジンの刷新)
いうなれば、奇数バージョンで公開ベータテストを行い、次の偶数バージョンで安定、というサイクルを繰り返していたのです。
CS2以降、複数のアートボードという強化ポイントはあったにしろ、ずっと安定してきましたが、Illustrator CS6は、久しぶりの"奇数バージョン"といっても過言でない実装になっています(CS6=16.0なので、正確には偶数バージョンだということは理解しています...)。
Illustrator CS6での"退化"ポイント
UI変更に伴い、おそらく"実装を忘れてしまった"レベルで退化しています...
どれも地味だけど、なくては困るものばかり。実装した人も、チェックした人もIllustratorを日々使っている人でないことが明らかなレベルです。
- [文字]パネル内、command+クリックで値の初期化ができない
- [行送り]のアイコンをダブルクリックしても、文字サイズが同じ値にならない
- [プリント]ダイアログボックスを開いたとき、[部数]がハイライトしない(2回tabキーを押す必要がある)
- インライン入力をオフにできない(Mac版のみ)([テキスト]環境設定の[ラテン文字以外にインライン入力を適用])
- Illustrator CS6で文字入力中にスペースバーで[手のひらツール]に切り替えられない
- [カラー]パネルの[C]や[M]、[線]パネルの[線分]、[間隔]などの項目名をクリックしても、対応する入力ボックスがハイライトしない
- コントロールパネルのライブカラーアイコンにマウスオーバーしても
カラーにならない。また、指さしアイコンにならない(Illustrator CS5.5ツールパネルもマウスオーバーすると、ほんのりカラーが付いていました。グレースケール化は仕様のようです...)
なお、Illustrator CS6では、アーキテクチャ変更によって、これまでのプラグインがほぼ使えませんので、プラグイン頼りで仕事されている方は要注意です(追記:2012年12月「Xtream Path」がCS6対応になりました)。
ライブカラー(正式名称はオブジェクトを再配色)は、Illustrator CS3から搭載されているので、かれこれ5年近くになりますが、なぜか認知度が低いようです。
紹介の仕方のひとつとして「ライブカラーは、カラーバリエーションを作るのに便利」という切り口がありますが、それだけではありません。Illustratorでの着色(カラーリング)作業のワークフローを覆してしまうほど、ぶっとんでいるのがライブカラーです。
従来のIllustratorでの着色(カラーリング)作業のワークフロー
あえて説明するまでもありませんが、Illustratorでの着色(カラーリング)作業は次のような流れで行います。
- オブジェクトを選択する
- カラーリングを行う
- 異なるオブジェクトを選択する
- カラーリングを行う
この際、ちょっと面倒なのが、
- グループ化がかかっているとオブジェクトの選択が面倒
- グラデーション内に同じカラーが使われていても、異なるインターフェイスでカラーリングを行わなければならない