縦組み対応で大変なのは、機能的なものよりもコンテンツ(というか文章)の編集作業
2007年7月にマイナビ(当時はマイコミ)から文庫スタイルの『変革期のウェブ』という書籍をリリースしました(私は企画、編集、DTPを担当)。
絶版になって久しいということもあり、今年(2013年)になってEPUBで再リリースしました(下部にパブーのリンクを掲載。無償です)。
元が縦組みだったのでそのままでもよかったのですが、横組みにすることにして再編集しました。これがムチャクチャ大変な作業だったのです。
「横組み ←→ 縦組み」の変換で必要な編集作業
「横組み ←→ 縦組み」の変換は、単純に組方向を変えるだけでなく、次のような作業が必要です。
- 横組みでは「Twitter」「Web」とするところ、縦組みでは「ツイッター」「ウェブ」のようにカタカナで扱うことが多い(アルファベットのままだと、書籍の内容によっては読みにくい)
- 横組みでは「12,000人」とするところ、縦組みでは「一万二千人」のように記述する。この変換は手作業でないと厳しい。
- 横組みでは「1行」とするところ、縦組みでは「一行」のように記述する。でも、「一連」や「一番」、もちろん、「一所懸命」は漢数字のまま、これも単純に置き換えられませんので、すべての文章をチェックする必要がある。
いうまでもなく、上記は「縦組み → 横組み」だけでなく、「横組み → 縦組み」も同様ですよね。私個人の意見としては、電子書籍において、縦組みにこだわりすぎるのはどうかな、と思ったりします(もちろん、元原稿が縦組みであれば、それを流用するのはよいと思いますけれど)。
規格やリーダーが対応しているから、といって、単純に組方向変えればいい、というわけにはいきませんし、真の縦組み対応には、きちんとした編集作業が不可欠です。
ただでさえ、予算が取られていることが少ないですが、編集作業の予算を組み込まないと悲惨なことになります。