JPCやTNGプロジェクトは今だから必要な気がする
実験る〜む ネット展開プロジェクトの悲しき末路を読んで思い出したのですが、かつてアップル・アドビ・大日本スクリーン・モリサワの4社がタッグを組んで次世代DTP(Mac OS X+InDesign+OpenType+PDF入稿)を推進していたTNG(The New Generation)プロジェクトというのがありました。
有益な資料がたくさんあったのですが、実験る〜むで言及されているようにすでに跡形もなく、アーカイブされる動きはありませんでした。スクリーンMTドットコムにてひっそりとまとめたデータがダウンロードできるようになっています。
JPC
そういえば、とJPC(日本パブリッシング協会)のサイトを見たところ、こちら(https://www.jpc.gr.jp/)も同様に跡形もない状態。元々 、JPCのサイトにはアーカイブという概念すらなかったようですが、解散して数ヶ月でこの状態...(NPO法人という性格上、これが正しい状況かもしれません)。
Mac OS Xは7世代目の10.6に、InDesignは6世代目のCS4にと、どんどん進化してきていますが、実際のところ、まだまだ古い環境で作業している方は少なくないですし、新しい環境に移行しても、従来通りの使い方をされ、新しい環境のアドバンテージを活かしきれていない方も多そうです。
今週も、古い流儀で使い続けていませんか? 作業を効率化し、直しに強いデータを作るIllustratorのデータ制作の新しい流れといったセミナーに出演したのですが、好評いただいたものの「このネタ、5年以上、やっているんだけどな〜」と複雑な気持ちになりました。
DTP制作の斜陽化が叫ばれて久しく、DTPWORLDまで休刊しちゃったりと寂しい状況ですが、こんな時代だからこそ、JPCのようなものが必要ではないかと思ったりするのです。
アプリケーションを使うノウハウだけでなく、総合的な環境構築とワークフロー、また、収益構造改善のためのビジネス視点、そして何より組版に対する哲学などコアになるスキルが消えつつあるのはとても寂しいです。