DSトレンドセミナーレポート -Adobe-
大日本スクリーントレンドセミナーレポート第二弾。
Quarkに続いて、Adobe。 IllustratorのDTP的Tips紹介と、先日発売になったAcrobat9について。
AdobeはCS3がでてからもう大分たっちゃって、CS3関連のデモをやっても新鮮味が薄れちゃってるのがつらいところだね。 かといってまだCS4の情報を出す訳にはいかないだろうし。 まぁ、いろんなセミナーに参加しまくって、内容をチェックしているマニアな人もあんまりいないだろうから、何回も見ちゃって新鮮味が薄い!とかいうのも失礼ですね。
今回のセミナー内容
Illustrator編
- Illustratorアピアランス機能をつかって、効果的に作業を進めることができるよ!
アピアランスって便利なんだけど、いまいち使ってる人少ないよね。CSなどの新しいアプリケーションでも従来通りの作り方をしてくる人多し。なんでだろう。出力に不安があるのか単に新しい機能をしらないのか。
- グラフィックスタイルをつかって、同じ効果の繰り返しもほら簡単!
あー、でもこのグラフィックスタイルってやつは今ひとつ使いにくいと思う。一度登録したスタイルを変更する方法が分かりにくいんだよね 実は今回のデモ見て「あ、あれ変更できるんだ」って知った(笑)
- EPSはもうやめようぜ!ネイティブ保存の方が、いろいろ便利なんだよ!
Adobe&ScreenでEPS撲滅運動推進中。すいません、いまだにばりばりEPS使ってて...。 セミナー内で「ネイティブ形式保存の方が(EPSより)データも軽くて保存も早い」みたいなことをいってたような気がしたけど(記憶あいまい)データが軽くて保存も早いのはネイティブ保存でも「PDF互換形式」のチェックを外した時だけだと思う...そして「PDF互換形式」のチェックを外されたデータはそのままじゃInDesignにもはれないし、出力できねー...。 「PDF互換形式」チェックいれると、ばりばり重くて、ばりばり時間かかるけど、でもそこはそうしなきゃだめだとしっかり伝えてほしい。PDF出力を推進したいならなおさら。
- 古い環境でOCFフォントを使ってつくったファイルを新しいバージョンで開くときは注意!
この問題は、もっと広めてほしい。
新しい環境に移行する人が増えて、古い環境で作ったデータを新しい環境で開く、という場合も多いと思う。 古いバージョンのIllustratorで作られたファイルを開くとき「文字テキストの更新をするかしないか」というダイアログが表示される
「更新」を選べばすべてのテキストが、新しいテキストエンジンで組み直される...つまり文字組がずれる。 「OK」を選べば、文字組はそのまま...配置された画像のようなイメージになり、編集はできない。
問題はこの「OK」を選んだとき。 画像のようになった文字部分は、フォントとして検索されない。フォントの検索置換ダイアログを開いても、なにも表示されていない
CIDとして認識されているモリサワのOCFフォントはともかく、フォントワークスのOCFフォントは置き換えできるフォントもないため、ここでは「所在不明のフォント」として認識され、初期設定のフォント(この場合はヒラギノ角ゴ)に置き換えられて表示されている。なのに、フォント検索置換ダイアログには何も表示されない
時々さ〜、このまま入稿してくる人がいるんだよね〜。
こういったファイルを入稿されると、印刷会社としてはファイルを開く段階でフォントに関する警告がでているから、そのまま作業をすすめる訳にはいかない。
どこの場所に問題があるか調べようにも、フォント検索置換ダイアログでは何も表示されないので、見つけられない(小さいデータなら探すのも簡単だが、B1サイズクラスのチラシだったりすると、目視で探すのはほぼ不可能...) 全部一括で書式メニューから「テキストを更新」すれば、検索置換ダイアログには表示されようになるけど「更新」されてしまうので文字詰めが変わってしまう。 結局、データ作成元に、データを差し戻しするしかない。
手間が増えるのよ!手間が!
字詰めを維持したまま開く(そのかわり編集不可)って、一見よい案に思えるけど、編集しないでずっと流用って実はそんなにないし結局どこかで「更新」かけなきゃいけない。 だったらもうあきらめて、最初から「更新」かけて作業してほしい。テキスト更新のダイアログも、デフォルトボタンは「更新」にしておいてほしかった。
Acrobat9編
続いてAcrobat9編。
Acrobat9で作成できるPDFポートフォリオの紹介。 簡単にいうと、PDFの中に入れ子にして複数のファイルを持てるという機能。中に持つファイルはPDFに限らず、フォルダでもかまわない。 PDFを開くと中に入っているファイルがOS 10.5のCover Flowみたいな感じで表示されたり、リスト表示されたり。 文書としてのPDFというより、複数のファイルを交換するときの、ファイルまとめツールとしてPDFを使うという感じだ。
ちなみにこの機能はAcrobat9(Readerでも可)でしか再現できず、Acrobat9以外のPDF閲覧ツール(たとえばOS Xのプレビュー.app)などで開くと「Acrobat9またはAdobe Reader9で見てください」という表示と、Adobe Reader9のダウンロードURLが示される。(これはセミナー後Adobeの人に聞いた) Acrobatの下位バージョンであれば、添付ファイルという形式で見えるらしい。 つまりAcrobatでないと開けないPDFファイルになっている模様。PDFバージョンは1.7で変わらない。 ポートフォリオにしたデータは多少圧縮されるが、可逆圧縮のため、容量の保存という意味ではそれほどのメリットはない。
えーと、あと確か、出力プレビューの、オブジェクトインスペクタで詳細が表示されるようになったという話。
https://www.adobe.com/jp/csp/にアクセスすると、ユーザー事例や活用ガイドなど日本独自のコンテンツが落とせるよという紹介があってました。 活用ガイドのほうは、セミナーで配られる「出力の手引き」「透明の手引き」なんかが、全部PDFで落とせるみたいです。社内で配布したい向きなぞにはいいかも。