page2017レポート(3日目、メディアクリエイションゾーンセミナーを中心に)
2017年2月8-10日、サンシャインシティコンベンションセンターでpage2017が開催されました。
展示会系のイベントは、かなり減ってしまいましたが、「pageだけは」と、同窓会的に地方からも参加される方が多いようです。そんなpage、今年で30回目とのことです。ちなみに、数年前から、すべて小文字で「page」になっています。
残念ながら参加できなかった方のために、(主に3日目の)レポートをお送りします。
アドビによる移行バックアップ(『CSユーザー必見! ここだけは押さえておきたいスムーズなデータ移行の準備』セッション)
メディアクリエイションゾーンセミナーにて、岩本 崇さんの『CSユーザー必見! ここだけは押さえておきたいスムーズなデータ移行の準備』に参加しました。
サイトやPDFでの情報提供
サイトでの情報の見つけにくさには定評があるアドビですが、このような展示会でパンフレット的なものを配布することはなくなりましたが、サイトやPDFなどで価値ある資料を公開しています。
- Illustrator CCとCS6の機能比較 | Adobe Illustrator CC履歴
- Illustrator CCの新機能 | 新しいアセット書き出しパネル
- Illustrator CC 2017 互換性ガイドブック
- CS4 → CC2015 新機能一覧
ご参考までに、こちらは大塚商会が提供している資料。要会員登録ですが有益です。
Illustratorの互換性問題
ここだけは気を付けて!と次のように紹介されていました。
- 「両端揃え」時のソフト改行(Shift+Enter)(CC以前のバージョンでは両端揃えになりません)
- 異体字セレクタ(IVS)に対応(異体字セレクタの場合、以前のバージョンでは代表字で表示されます)
- パス上テキストの間隔「自動」設定の追加(間隔=「0」にすることで下位互換も保持されます)
Illustratorは、CC以降、同じドキュメントバージョン(v.17)を利用していますが、CCとCC 2014以降では互換性の部分で注意が必要です。
『もう逃げられない!安全なPDF/X-4 & APPE運用のススメ』セッション(松久 剛さん)
「文字にツノが出る問題」は、ウィンドウの表示拡大率によっても見え方が違う、など、改めて発見がありました。
- 文字にツノが出る問題(マイター処理)|出力の手引きWeb|株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ
- マイター処理がAcrobatと一致しない問題|出力の手引きWeb|株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ
株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズのサイトにて、EQUIOS / Trueflow 出力の手引きは、ダウンロード可能です。
Adobe Creative Stationにも記事が上がっていました。
そういえば…昨日のPDF/x
— あかつき@おばな (@akatsuki_obana) 2017年2月11日
についての発表、ネイティブ入稿してた制作側にとっても「待った無し」になってきたって発表でもあるよね。動画になってるみたいだから見ておかないととと…https://t.co/gkVRC66nkZ
「たづがね角ゴシック」開発秘話(Monotype)
Monotypeのブースで小林 章さんが「たづがね角ゴシック」について話されるというので参加してきました。
- Frutigerは、元々5ウエイト
- 「55」が太いため、本文用の「Book」などを補充し、10ウエイトのNeue Frutigerを開発した
- 「たづがね角ゴシック」は、Neue Frutigerに合う日本語書体というコンセプトのもと「3人で3年」で開発
- 2017年1月にリリース。3月9日までリリース記念SALEで半額
サイン用の書体として定評があるFrutigerの理由として、屋外など、条件が悪いケース、正面以外でも見られるようなことを想定しているというのが印象に残りました。
ガチャガチャで消しゴムをいただきました。
忘れ物
[文字]パネルで「mt」と入力したとき、InDesignでは出てくるのに、Illustratorで出てこない問題について聞くの忘れた…
『写真の「トリミング」を決めるコツ』(伊達 千代さん)
伊達 千代さんといえば、ロングセラーの『配色デザイン見本帳 配色の基礎と考え方が学べるガイドブック』から、カラーまわりの人、というイメージがありますが、『デザインのルール、レイアウトのセオリー』など、カバーされている範囲が多い方です。
今回のテーマは、写真の「トリミング」。冒頭のトリミングを変えると、このようにイメージが変わりますよね、というサンプルが圧巻でした。
女性+風景、女性のみ、上半身のみ、顔のアップ、さらにアップ…と同じ写真でも、このようにイメージが変わるという例を解説されたのですが、何より語彙が豊富というか、説明がうまい!
デザイナーは制作物だけでなく、説明力、プレゼン力も本当に大事だな、と実感しました。
Photoshopの切り抜きは実は奥深く、切り口としてユニークです。しかし、このために人が動くかといういうかというと難しいところ。そういう意味では、メディアクリエイションゾーンセミナーのようなセミナー群だから可能だな、と思ったり。
『イラスト制作のためのIllustrator ベクターでもっと自由に描いてみよう』(hamkoさん)
クリエイティブゾーンセミナーのオオトリ、hamkoさんの『イラスト制作のためのIllustrator ベクターでもっと自由に描いてみよう』のセッションが、むちゃくちゃよかったです。
ここ数年で聞いたDTP系のセミナーの中でピカイチ。すごく練られていて、丁寧。はじめたばかりの人も、ヘビーユーザーも、同時に楽しめるセッションでした。
私自身、イラストを描くことはありませんが、すぐにでも試してみたくなるアイデアがたくさん。とても楽しく、そして、有意義な内容。
後日、スライドを公開されるかも、とのことでしたので乞うご期待(もちろん、デモ部分を見たいところですが)。
フォローアップが公開されました!
「モリサワ」ブース
壁一面に108名の組見本が展示されていました。
本日から始まった「page2017」の当社ブースでは、壁一面の書体が皆さんをお出迎えしています。会期初日から多くの方に組見本をお持ち帰りいただきました。明日、明後日のご来場を心よりお待ちしています。
— モリサワ【公式】 (@Morisawa_JP) 2017年2月8日
展示会の詳細はこちらから https://t.co/oNRqf3yN7Y pic.twitter.com/DwEuhpuimU
「お名前入り携帯ストラップ」を受け取る間、見ていたのですが、「あ、そっか、この書体は、こういう風に使えるな」と組見本の意義を再認識。
結構な枚数をいただいて帰ってきました。
『Illustrator CS/CC差分徹底検証』
2月8日には、鷹野 雅弘(スイッチ)も出演しました。
その他
PAGE2017 で買ってきた「編集アシストセット」(印刷学会出版部)。クリアファイルの級数表や紙のサイズ表、カラーチャートなど、編集に必要な道具がコンパクトに収納されています。編集者必携です。 pic.twitter.com/kTKhtSg4SR
— Yuko Miyago (@design_editor) 2017年2月10日
後、ここのサービス始めて知ったんだけど前からあった?MOJIパス。
— あかね (@akane_neko) 2017年2月13日
「個人の作家さんに声をかけて契約してる」みたいな話だったから、フォントメーカーってわけじゃなくて集めてきてそれを提供な感じみたいだけど。でも味岡伸太郎さんとか参加してるのね… #page2017 pic.twitter.com/vuinYEI94q