改めて考えたい「段落スタイル」と「文字スタイル」の使い分け
以前、ものかのさんがInDesignの文字スタイルと段落スタイルの根深い誤解というエントリーで次のように言われていました。
実は「文字スタイルだけでスタイルをあてている異様なinddファイル」が日々量産されています。
「いやいや、まさか!」と思っていたら来ました! これまでの自分の常識がヒジョーシキだったのか、と、一瞬だけ心配になり、改めて調べまくってしまいました…
記念にキャプチャを貼っておきます。
ヒサノさんのツイートを貼っておくとともに、
文章スタイルと例外文字スタイルとでも言い換えたほうがいいかな
— ヒサノ (@sistervivienne) 2014, 10月 29
参照リンクを提示しますので、心当たりのある方は、ぜひ年末年始の課題にしてください。私も改めて、もう一度見返します。
メモ
- QuarkXPress 3.3まで文字スタイルがなかったので、古くからのユーザーは「まず、段落スタイル」が身についているのかも。
InDesignの場合、段落スタイルが適用されている段落で文字スタイルを指定した場合、文字スタイルの属性が優先されます。
同様に、段落スタイルと文字スタイルが適用されているテキストで、段落スタイルを変更した場合、文字スタイルで指定した属性はそのまま残り、それ以外の属性が段落スタイルに応じて変更されることになります。
その他
メモ2
私の場合、極力、段落スタイルを使い、次の場合のみ、文字スタイルを使っています。
- 段落内の部分的な文字の強調に使う(ウエイトを変更して太字にする、文字カラーを変える、下線や波線を付けるなど)
- 部分的に自動的に異なる書式を与えたいとき、「先頭文字スタイル」や「正規表現スタイル」の組み合わせに使う
- 章ごとにカラーリングを変える際、ベースとなる段落スタイルを作成し、文字スタイルでカラーリングのみを変更する
- インライングラフィックの前後のアキ調整に使う
文字スタイルを段落に対して当てる方法で制作を進めてはいけない理由:
文字スタイルを段落に対して当てる方法で制作を進めると、次のような罠にハマります。
- 目次を作成できない
- 相互参照を設定しにくい
InDesignの構造面からも、文字スタイルをメインに使用するのは明かな誤りです。
追記(2015年7月9日):
[文字]パネルでの設定は「文字スタイル」に、[段落]パネルでの設定は「段落スタイル」に、は誤りです。
[文字]パネルや[段落]パネルでの設定を「段落スタイル」に登録/適用します。(段落内の)文字レベルで“例外”的に扱う箇所のみ、「文字スタイル」を登録/適用します。
CSS的にいうと、段落スタイルはブロックレベル要素(p、h1、h2、h3...)、文字スタイルはインライン要素(span, strong, em)。