【Web制作で使うIllustrator】カテゴリの記事
2010年にリリースされたIllustrator CS5でのWeb向けの機能強化以降、Web向けにIllustratorを使う上では、次のアプローチが基本とされてきました。
- ドキュメントプロファイルに「Web」を選択し、[新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合]にチェックを付ける
- [ピクセルプレビュー]をオンにする
先週末に行われたdot-ai, Vol.2において、黒葛原 道さん(eater)が、次のアプローチを発表され、「なるほど!」と思ったのでご紹介します。
- [新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合]はオフにする
- グリッドを1ピクセルに設定し、[グリッドにスナップ]をオンにする
- [線の位置]は外側に設定する
次の図は、左が従来のもの。右側が黒葛原さん方式です。
Illustratorの「ピクセルグリッドに整合」は、3px x 3px、線幅1pxの図形を描画する際、ピクセルグリッドの中央に吸着します。これを「ピクセルグリッドに整合」を使わずに、ピクセルグリッドに正確に吸着すればいいじゃん、ということですね。
なるほど、このアプローチなら、パスの位置とピクセルグリッドがずれる問題にも対処できます。
Web用にIllustratorを使う、つまり、ピクセルプレビューをオンにする場合、1ピクセルの線幅を持つ四角形を作成する場合、四角形の大きさが小さいと、[線の位置]が「中央」または「内側」だとつぶれてしまいます。
[線の位置]は外側にするのがベターです。
(クリックすると、拡大します)
Fireworks CS6のニュースとは関係なく、最近、Illustrator CS6を使ってWeb向けの画像を作成しています。バナーなどを作成する場合、アートボードと同じ大きさの1ピクセルの枠を付けたりすることがよくあるのですが、この場合、次のワークフローではうまくありません。
- 高さ260ピクセル、幅260ピクセルの四角形を描画する
- 線幅1ピクセルに指定する
- 四角形を選択したまま、[オブジェクト]メニューの[アートボード]→[選択オブジェクトに合わせる]をクリック
Illustratorが線はパスの内側、外側に均等に描きますので、260+0.5+0.5で261となり、結果、アートボードサイズは261ピクセル四方になってしまいます。
IllustratorをWeb向けに利用するときには、[表示]→[ピクセルプレビュー]をクリックして、ピクセルプレビューをオンにして使います。
これを使わない場合、左のようにボケてしまいますが、ピクセルプレビューがオンになっていると、右のようになります。
Illustrator CS5以降は、次の方法でもOKです。
- [変形]パネルのパネルメニュー内の[新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合]にチェックをつける
- 新規ドキュメントを作成時、ドキュメントプロファイルで「Web」のプロファイルを選択する
→[新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合]にチェックが入ります。
ぶっちゃけ、Illustratorはスライスなどが使いにくいので向き不向きでいうと、あまり向いていないと思うのですが、下記などの設定についてはおさえておくとよいと思います。