クリッピングマスクと不透明マスク

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2009年9月 5日、更新日:2014年7月10日
 

Illustratorには「クリッピングマスク」と「不透明マスク」の2つのマスクがあります。

opacitymask_fin.png

イラスト協力:宇佐美由里子(Indexdesign)

クリッピングマスク

クリッピングマスクは古〜くからある機能です。

  1. 結果として表示させたい領域に、マスクするオブジェクトを作成し、最前面におきます。このオブジェクトの塗りや線は、クリッピングマスクを設定後に透明になりますので、この段階では、何色に設定しておいてもOKです。
    opacitymask_11.png
  2. 背面のオブジェクトと一緒に選択(この際、レイヤーをまたいでいてもOK)。
  3. メニューバーの[オブジェクト]→[クリッピングマスク]→[作成]をクリックします。キーボードショートカットは⌘+7キー。
  4. 完成です。
    opacitymask_12.png

修正したい場合には、コンテキストメニューから[選択クリッピングマスク編集モード]を選択します。

opacitymask_13.png

不透明マスク(opacity mask)

「不透明マスク」はIllustrator 9で実装された機能です。Illustrator 9も10年近く前のバージョンですので十分古いのですが、当時は出力があやうく"基本的には避けるべきバギーな機能"としてスルーしてきた方が多いようです。

  1. たとえば、アートワークの前面に、中心が白、だんだんとエッジに向けて黒になるグラデーションを設定した楕円を作成します(Photoshopのレイヤーマスクのように、白から黒というのがポイント)。
    opacitymask_21.png
  2. 背面のオブジェクトと一緒に選択します。
  3. [透明]パネルのパネルメニューから[不透明マスクを作成]をクリックします。
    opacitymask_22.png
  4. 完成です。
    opacitymask_23.png

[透明]パネルを利用する代わりに、画面上部のコントロールパネル内の[透明度]をクリックして、そこから呼び出すことも可能です。

opacitymask_31.gif

線形のグラデーションをマスクとして利用すると、たとえば、次のように下方向にだんだんボケていく表現が可能です。

opacitymask_24.png

不透明マスクで使用するマスクのグラデーションは「白=表示するところ」から「黒=隠すところ」のグレースケールを利用します。ただし、[透明]パネル内の[マスクを反転オプション]にチェックをつければ、この白/黒の扱いが逆になります。

まとめ

不透明マスクは、Photoshopなどを使わなければ実現しない表現をIllustrator内で可能にしてくれます。 もし、出力先によってはリスキーかな、と思われる場合には、Photoshopで処理するか、Illustratorで不透明マスクをかけたアートワークを、[オブジェクト]→[ラスタライズ]を使ってビットマップ化してしまうのが無難です。

ご参考

追記(2011年):

下記のエントリーもご参照ください。動画があります。

追記(2012年12月7日):

Illustrator CS6では、ようやく[不透明マスクを作成]がボタンになりました。

AiCS6-transparency-panel.jpg

YouTube

DTP TransitのYouTubeチャンネルです。1分前後のクイックTipsを投稿しています。

チャンネル登録

Twitter

本サイトの記事以外に、小ネタやタイムリーな話題などをツイートしています。

マンスリーでまとめています。

お問い合わせ

Twitter

本サイトの記事以外に、小ネタやタイムリーな話題などをツイートしています。

マンスリーでまとめています。

このページの上部に戻る