IllustratorとInDesignの文字スタイル/段落スタイルの挙動の違い
Illustratorで文字スタイル/段落スタイルを使うとやたらと重い。さらに、何かヘンだな〜と思うことがよくあって、いろいろ試していたところ、次のことがわかりました。
まずはInDesignの文字スタイル/段落スタイル
InDesignで新規にドキュメントを作って作業をはじめるとき、[文字スタイル]には「なし」、[段落スタイル]には「基本段落」選択されています。
明示的に文字スタイルを設定して適用しない限り、段落スタイルは、文字スタイルの影響を受けません。
Illustratorの文字スタイル/段落スタイル
一方、Illustratorで新規にドキュメントを作って作業をはじめるとき、[文字スタイル]には「標準文字スタイル」、[段落スタイル]には「標準段落スタイル」が選択されています。
たとえば、[配置]コマンドで文字原稿を配置した後、そのテキストの選択を解除し、「標準文字スタイル」を変更すると、その変更内容はテキストに反映されます。
つまり、デフォルトでは、「標準文字スタイル」と「標準段落スタイル」が適用された状態になります。当然、「標準段落スタイル」が優先されますが、「標準文字スタイル」をオーバーライドしているだけなので、重くなるのは当然です。
InDesign的に、Illustratorの文字スタイルを扱う
Illustratorの「標準文字スタイル」は、デフォルトでは「小塚ゴシックPro R、12pt、行送り自動、カーニング:0、トラッキング:0」をはじめとして、文字スタイルで設定できる項目のほとんどが設定されています。しかし、InDesign的なアプローチ(つまり、必要な書式のみ設定するという考え方)では、これを適用しておく必要はありません。
Illustratorで新しく文字スタイルを作成し、「なし」というスタイル名に設定します。まずは「なし」を適用してから、段落スタイルを適用するようにすればよいかも。つまり、InDesign的に文字スタイル/段落スタイルを扱うということです。
初級FAQ:デフォルトフォントの変更 - DTP Transitで紹介している方法によって、「New Document Profiles」を変更してしまうとよいでしょう。
なぜ、こんな仕様になっているのか、まったくもってよくわからないのですが、IllustratorとInDesignの開発チームで連携と取りながら整合性を高めて欲しいと願います。