Illustrator各バージョンの新機能(9.0-CS3)
ちょっと調べものでIllustratorのバージョンごとの新機能を調べてましたので、掲載しておきます。ちょっと自信ない部分もありますので、ご参考までに、というレベルで。
Illustratorのバージョン | ||||
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10 | CS | CS2 | CS3 | |
Mac OS 9.1/9.2 | - | - | - | |
Mac OS X 10.2 | ||||
Mac OS X 10.2.4以降 | - | |||
Mac OS X 10.4 | - | (10.4.8以降) | ||
Mac OS X 10.5 | - | - | - |
- 旧バージョンの対応 OS - Illustrator(アドビ サービスデータベース)
- Adobe Illustrator - Wikipedia
- バージョン別機能比較(PDF、3ページ、0.3MB)(アドビ提供のものです)
- Adobe Illustrator CS4: アップグレード【バージョン別機能比較表】
Illustrator 9.0の新機能
- カラーモードの自動変換、RGBモードのサポート
- 透明(不透明度と描画モードのサポート、不透明マスク)
- 効果
- アピアランス
- キーボードショートカットのカスタマイズ機能
- 強化されたレイヤー(オブジェクト単位のモダンレイヤー)
- なげなわ選択ツール
- パスの単純化
- フォントの埋め込み
- スタイル
- [Web用に保存]ダイアログボックスによる最適化書き出し(Web向け)
- ピクセルプレビュー(Web用にラスタライズされたオブジェクトの外観を確認)
Illustrator 10の新機能
透明やアピアランスの導入によって出力まわりで多くの混乱が出たIllustrator 9の後継として登場したのがIllustrator 10だ。このあたりから「奇数バージョンのIllustratorや避けるべき」といった通説がDTP業界で囁かれはじめた... 今更ながらの直線ツールをはじめ、円弧、グリッド、同心円などの基本ツールが充実した一方、エンベロープ、ワープ、リキッドなどのライブ変形ツールや、7つのリキッドツールなど、パスのままで変形させる機能が強化された。 特筆すべきは、シンボル機能だ。たとえば、地図のランドマークをはじめ、ドキュメント内に繰り返し使われるオブジェクトをシンボルとして定義しておけば、シンボルパレットからドラッグで配置できるだけでなく、何十個配置しても配置されるのは、いわば"エイリアス"のため、ファイル容量は1つだけと軽く済み、また、オリジナルを修正時すればすべてに反映されるなど、使わなければ損といってもよい機能が搭載されている。
- ライブ変形機能(エンベロープ、ワープ、リキッド)
- 7つのリキッドツール
- 新しい描画ツール(直線、円弧、グリッド、同心円)
- シンボル機能
- [シンボルスプレーツール](密度、サイズ、向き、色、透明度、オブジェクト間の距離などを制御)
- スライス機能
- 複合シェイプ(パスファインダの一時的処理)
- スライス機能の強化(スライスごとに異なるフォーマットを適用可能)
- 紙色のシミュレート
- データ駆動型グラフィックス
- 小塚フォントのバンドル
- [分割プレビュー]パレットで透明度を持つオブジェクトを確認
Illustrator CSの新機能
Illustratorでは文字まわりが一新された。文字組版機能が再設計された。豊富な文字詰め機能がサポートされたほか、InDesignで先に導入された文字組みアキ量設定など、質の高い組版を実現する機能が強化された。段落スタイルだけでなく、文字スタイルも導入され、文字の多いドキュメントでは飛躍的に作業効率が上がった(ただし、かなり重くなる)。
一方、問題となったのは、過去のバージョンとの互換性。別名保存で、過去のバージョンが選べず、書き出しで「Illustrator Legacy」(拡張子は「.ai」のまま)を選ぶことになった(これはあまりにも不評で次のCS2から、再度、別名保存に戻された)。 目を引いた機能として3D効果がある。奥行きを付ける「押し出し」のほか、「回転体」や「回転」など、これまでサード・パーティのプラグインで実現していたものを、さらに強化して実装した。
- アイコンの変更(女神が消えました)
- 新しいプリントインターフェイス
- テキスト組版エンジンの再設計(自動カーニングおよび文字詰め)
- 基準値の変更(行送りの基準値:「120%」から「175%」に、文字揃え:「欧文ベースライン」から「中央」に)
- 合成フォントのサポート
- WYSIWYGフォントメニュー
- OpenTypeのフルサポート(異体字へのアクセスなど)
- 最近使用したフォント([文字]メニュー内)
- 歯(H)のサポート
- スタイル機能(文字、段落)
- 3D効果
- 落書き効果( ← 「ハッチ効果」の強化)
- Microsoft Office用に保存(は150dpi、透明設定なしのPNG形式で保存)
- カスタムタブリーダー
- 新しいパス上文字オプション
- テンプレートファイル形式(.ait)のサポート
- スタートアップ画面の導入
- [変形]パレットに[縦横比を固定](ロック)ボタンが追加
- PDF書き出しの強化(PDF1.5サポート、セキュリティ設定、「Acrobat 6 レイヤー付」)
- XMP (eXtensible Metadata Platform)のサポート
- Photoshop データとの互換性(レイヤーを保持、透明度の設定、描画モードも継承)
- 手のひらツールでドラッグする際のリドローの改善(ドラッグ中にはビットマップとして扱う)
Illustrator CS2の新機能
バージョンを追うごとに増え続けるパレットシステムの破綻を救う機能としてコントロールパレットが搭載された。Photoshopのオプションバー、InDesignのコントールパレットと同様、選択しているオブジェクトによって臨機応変に設定内容が変化するものだ。
目玉機能は、配置したビットマップをベクトル化するライブトレース、それに着色するのがライブペイントだ。ライブトレースはプリセットを調整することでより精度を高めることができる。 CS2では、Bridgeというファイル管理システムが同梱されるようになった。Illustratorファイルをはじめ、アドビ製の各ドキュメントのプレビューが可能なだけでなく、ドラッグ&ドロップでビットマップファイルをIllustratorドキュメントに配置することができる。Finderからのドラッグ&ドロップもサポート。複数ファイルの一括配置も可能で、画像ファイルは「リンク」される。 別名保存のダイアログボックスで、印刷用のスタンダードなPDF形式「PDF/X」への保存もサポートされた。
- ライブトレース
- ライブペイント
- 線のカスタム位置(中央のほか、内側/外側をサポート)
- テキストへの下線と取り消し線のサポート
- コントロールパレットの採用
- ワークスペースの管理(パレット位置の保存と呼び出し)
- PDF/Xへの書き出しサポート(別名で保存)
- ドラッグ&ドロップによる画像配置のサポート(複数画像もOK)
- Bridge(独立したファイル管理システム)からのドラッグ&ドロップによる画像配置のサポート
- Photoshop® のレイヤーカンプのサポート
- Adobe Stock Photos(2008年4月に終了)
- アクティベーション(オンライン認証)の導入
Illustrator CS3の新機能
奇数バージョンにも関わらず、安定しながら、かつ充実したバージョンに仕上がっているのがCS3だ。 複数のオブジェクトをまとめて選択したまま、カラーバリエーションを作成するライブカラーには、多くのユーザーが息をのんだ。色味を変更するだけでなく、彩度を落としたり、色数を減らしてデュオトーンのような効果を追求することもできる。複数のスウォッチから中間色のセットを作成する「カラーガイド」など、「着色」というIllustratorの基本に立ち戻り機能強化が図られた。 [フィルタ]メニューの[カラー]が、[編集]メニューに移動し、パターンやグラデーションのグレースケール化も可能になったことも嬉しい。 マウスポインタをアンカーポイントに合わせたときに強調表示(アンカーポイントが拡大する)されたり、複数のアンカーポイントの整列など、パスの扱いについても強化された。
- 「パレット」が「パネル」と呼ばれるように(cf. 「コントロールパレット」→「コントロールパネル」)
- アイコンの変更(元素記号みたいなアイコンに)
- 新規ドキュメントのプロファイル
- アイコンパネルの導入
- ライブカラー
- カラーガイド(カラーグループをスウォッチパネルにエキスポート)
- トリムエリアツール
- 消しゴムツール(ベクトルのエリア、パスの消去などが可能)
- グループ編集モード
- ポイントの整列
- レイヤーパレット上にレイヤーカラーを表示
- アンカーポイント選択時の強調
- インライン入力の切り替え
- 9スライスの拡大・縮小のサポート
- Flashとの連携([Flashテキスト]パネル内で、「静的テキスト」「動的テキスト」「テキスト入力」が選択可能に)
- Device Central CS3との連携
- 配置画像へのマスクの設定
- [フィルタ]メニューの[カラー]が、[編集]メニューに移動。パターンやグラデーションのグレースケール化も可能に。
ご参考:
Adobe Creative Stationで「ベテランほど知らずに損してるIllustratorの新常識」と題して連載しています。
2014年10月に発売。新しいバージョンを使いながらも、古いやり方のまま作業されている中級以上のユーザー向けの書籍。ツールやコマンドなどの基本的な使い方の解説はありません。
2015年3月、8月、2016年7月、11月、2017年9月に増刷(現在「6刷」)。前書(2011年版)と合算すると38,000部のロングセラーとなっています。
改訂版に関する情報
2011年に発売した書籍の改訂版です。
- 対応バージョンは、CS5/CS5.1/CS6/CC/CC 2014
- 178ページから78ページ増量の256ページ
- 改訂版にありがちな「焼き直し」は69ページのみ
- 金額は180円(だけ)アップの2,380円(税別)
書籍リリース後の追加情報は、サポートページにて公開しています。
最新版への対応
Illustrator CC 2021(2020年10月リリース)への対応版準備中です。全ページ書き換えますので、2017年版を待たずに、2014年版を(も)ご購入ください。
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全都道府県縦断セミナーツアー
2014年10月に技術評論社から発売された『10倍ラクするIllustrator仕事術』(増強改訂版)のプロモーションのために、全国47都道県にて実施。
47都道府県すべての県での開催が終了しました。ご参加ありがとうございました!