Adobe Creative Stationの連載「ベテランほど知らずに損してるIllustratorの新常識」にて公開したシンボル編の補足
Adobe Creative Stationで鷹野 雅弘(スイッチ)が連載している「ベテランほど知らずに損してるIllustratorの新常識」で公開されたメリットいっぱい、使ってこなかったことを後悔するシンボルの活用」の記事の補足です。
全体像
キーボードショートカット
シンボルを結構使うようになったら、キーボードショートカットまわりを整備するとよいでしょう。
デフォルト | 変更例 | |
---|---|---|
[シンボル]パネル | ⌘+shift+F11 | shift+F8 |
新規シンボル | F8 | ⌘+F8 |
新規シンボル (オプション非表示) | - | option+F8 |
シンボル登録 | - | ⌘+option+F8 |
シンボル解除 | - | option+shift+F8 | 共通のシンボル インスタンスを選択 | なし | - |
新規シンボル作成時に、シンボルオプションをスキップするには、[シンボル]パネルの[新規シンボル]アイコンをoptionキー(Altキー)+クリックします。
これは、アクションに設定することができるので、そのアクションに対してキーボードショートカットを設定します。
最後の2つには、次のスクリプトを利用します。
画像に対してシンボルを設定すると軽くなるのか?
まず、前提条件として、シンボルには、リンク画像を含めることができません。
結論からいうと、画像を軽く扱うには、リンクのままにすることです。同じ画像であれば、ドキュメント内で複製しても、ドキュメントのファイル容量は増えません。
単品 | 10個 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
シンボルなし | リンク | 11.2MB | 11.2MB | 個数が増えても変わらない |
埋め込み | 25.9MB | 125.4MB | ||
シンボル | 埋め込みのみ | 26MB | 125.4MB | シンボル化しても同様 |
シンボルのステート管理
マウスオーバー時など、“ほぼ同じで、構成するパーツが若干異なる”というステート違いを考えるときには、次のようなアプローチがあります。
- 単純にシンボル上にシンボルを重ねる
- ダイナミックシンボル内のパーツを[ダイレクト選択ツール]で選択し、カラーや不透明度を変更する(グラフィックスタイルで変更)
- ダイナミックシンボル内のシンボルを[ダイレクト選択ツール]で選択し、シンボルを置換する
いずれの場合にも、テキストを含めることはできません。
ナナメってるパーツ、90度回転しているパーツ
アートワークそのものを回転して作成すると、後からの修正への対応が大変です。
そこでパーツごとにシンボル化し、それぞれのシンボルに[変形]効果で回転を設定し、変更時には水平のシンボルを編集します。
パッケージの側面など、「ここだけ90度回転」しているパーツなども、この要領で作るとよいでしょう。
ファンキー仕様(ローカライズ)
シンボルオプション内とコントロールパネル内で用語が揺れています。これは統一しないとマズい例。
言い換えると、コントロールパネルは訳す必要がないのに訳されてしまっています。
シンボルオプション内 | コントロールパネル内 |
---|---|
ダイナミックシンボル | シンボル(動的) |
スタティックシンボル | シンボル(静的) |
オプションの確認
ダイナミックシンボルには、[シンボル]パネル内でスウォッチ(アイコン)の右下に[+]ボタンが追加されます。
リスト表示でも同様です。
「9スライス」に関しては、[シンボルオプション]ダイアログボックスを開くほかに、目視で確認することはできません。
シンボルオプションの変更
シンボルオプションを後から変更するには、[シンボル]パネル下部の[シンボルオプション]ボタンをクリックするか、
[シンボル]パネルメニューの[シンボルオプション]をクリックします。
Webでの利用
[シンボルオプション]に[ピクセルグリッドに整合]があったのですが、Illustrator CC 2017で消失してしまいました。
バージョン互換
次のツイートを拝見しました。
Illustrator CC2015で作ったデータを作業先がCS4で開くとシンボルが全部リンク解除されるっぽいんだけど最新バージョン使え以外の解決策ないかなぁ〜高橋先生のスクリプトもCS5以上対応だし。。ダメ元で試してもらうかな…https://t.co/nTlNd9LBtC
— ひなこ (@Hinatic) 2017年4月11日
Illustrator CC 2015以降、シンボルを作成すると、デフォルトではダイナミックシンボルになっています。
ダイナミックシンボルを使用しているドキュメントをIllustrator CC 2014以前のバージョンに保存すると、強制的にシンボルが解除されます。下位バージョンで保存する場合には、スタティックシンボルに変換しておきます。
ダイナミックシンボルは使うときのみに
「ベテランほど知らずに損してるIllustratorの新常識」メリットいっぱい、使ってこなかったことを後悔するシンボルの活用」にて取り上げている「応用例(1)変形効果との組み合わせ」ですが、「ダイナミックシンボルを設定していると、[アピアランスの分割]を実行すると、シンボルへのリンクが解除されてしまいます。
大阪の天野さんからのタレコミ情報です。ありがとうございました!
バージョン互換と含めて、シンボルを作成するときには、スタティックシンボルを基本に作成するのを基本とするのが無難です。