Illustratorのデフォルトのパターンスウォッチを使い倒す
Illustratorのパターンの扱いは、Illustrator CS6以降、劇的に改善されています。しかし、従来からある機能の組み合わせによる、デフォルトのパターンスウォッチの応用についてご紹介します。
「ベーシック」パターンを開く
[スウォッチ]パネルメニューの[スウォッチライブラリを開く]→[パターン]→[ベーシック]のサブメニューには「ベーシック_テクスチャ」「ベーシック_ライン」「ベーシック_点」の3つのライブラリが入っています。
ドットやライン、そして、テクスチャのパターンスウォッチが入っています(パネルメニューでスウォッチの大きさを変更)。
図形を変形せずに、パターンのみ(拡大)縮小する
四角形にラインのパターンを適用します。
[拡大・縮小]ダイアログボックスを開き、[オブジェクトの変形]オプションをオフにして、[拡大・縮小]を「50%」に設定します。
オブジェクトの大きさは変わらずに、パターンのみが縮小されました。
図形を変形せずに、パターンのみ回転させる
[回転]ダイアログボックスを開き、[オブジェクトの変形]オプションをオフにして、[角度]を「45°」に設定します。
オブジェクトの大きさは変わらずに、パターンの角度のみが変更されました。
ライブカラーを使って着色する
[オブジェクトを再配色]ダイアログボックスを開きます。デフォルトでは、パターンに使われているブラックは、再配色できません。
[配色オプション]を開き、[保持]-[ブラック]オプションをオフにして閉じます。
再配色を実行します。
[スウォッチ]パネルで確認すると、ここまでの変更がパターンスウォッチに反映されていることを確認できます。
図形を移動せずに、パターンの位置のみを移動する
パターンの移動について考えてみましょう。
上記のように、パターンが適用されている2つのオブジェクトがある場合、定規の原点を移動すると、すべてのオブジェクトのパターンの位置に影響します。
個別にパターンの位置を変更したい場合には、[移動]ダイアログボックスを開き、[オブジェクトの変形]オプションをオフにして、[位置]の値を調整します。
選択したオブジェクトのみ、パターンの位置が変更されます。
キーボードショートカットで移動/拡大・縮小/回転する
[選択ツール]を選択しているとき、[~]キー(USキーボード)、[^](ハット)キー(JISキーボード)を押しながらドラッグするとダイアログボックスを介さずにパターンのみを移動できます。
同様に、[拡大・縮小]ツールを選択時には拡大/縮小、[回転ツール]を選択時には回転します。
Photoshopで開いたときの「つなぎ目」
「Illustrator側でブラシ・スウォッチを適用したオブジェクトを、コピペしてPhotoshopにもっていった場合、Illustrator上では確認されなかったつなぎ目が出てしまう」問題について、こちらのブログで紹介されています。
アピアランスでパターンの変形を行う
パターンの変形(移動/拡大・縮小/回転)は、[変形]効果でも実行できます。これを応用して、文字の増減に応じてサイズが変わる斜線の枠を作ってみましょう。
このサンプルでは、2つのテキストオブジェクトをグループ化し、「グループ」に対してアピアランスを設定してます。
線にはパターンスウォッチ、線幅を設定します。「線」アピアランスに対して、[形状に変換(長方形)]効果を適用して枠にします。
また、[変形]効果で[拡大・縮小]、[移動]、[回転]などを設定し、[オプション]の[オブジェクトの変形]オプションをオフにします。これで、オブジェクトそのものは変形せず、線に適用したパターンスウォッチのみが変形します。
グループ編集モードで、個々のテキストオブジェクトを移動すると、それに応じて枠が変形します。
なお、[変形]効果で次の3つのオプションが可能なのは、Illustrator CS6以降です。
- 線幅と効果も拡大縮小
- オブジェクトの変形
- パターンの変形
CS5まで | CS6以降 | |
拡大縮小 | ||
移動 | ||
回転 | ||
コピー | ||
垂直軸にリフレクト | ||
水平軸にリフレクト | ||
基準点 | ||
ランダム | ||
オブジェクトの変形 | ||
パターンの変形 | ||
線幅と効果を拡大・縮小 |
追記(2016年12月29日):
鈴木メモさんのパターンスウォッチの色を変える方法 にて紹介されているワザを使うと、さらに応用度が高まります。
やりかたは黒い状態のまま、透明パネルでスクリーン100%にするだけ。ベースの色と重なった所だけ色が変わります。