ちょっとややこしい「アピアランスを消去」「基本アピアランスを適用」「初期設定の塗りと線」「新規アートに基本アピアランスを使用」
[アピアランス]パネルメニューの[アピアランスを消去]、[基本アピアランスを適用]、[アピアランス]パネル下部の[アピアランスを消去]ボタン、[ツール]パネルの[初期設定の塗りと線]ボタンの使い分けがちょっとややこしいんです。
場所 | コマンド/ボタン | 文字 | 図形 | ||
---|---|---|---|---|---|
塗り | 線 | 塗り | 線 | ||
[アピアランス] パネルメニュー | [アピアランスを消去] | 黒 | なし | なし | なし |
[基本アピアランスを適用] | ひとつ | ひとつ、上 | ひとつ | ひとつ、上 | |
[アピアランス]パネル | アピアランスを消去(ボタン) | 黒 | なし | なし | なし |
[ツール]パネル | 初期設定の塗りと線 | 白 | 黒、1pt | 白 | 黒、1pt |
まとめ
- [アピアランス]パネルメニューの[アピアランスを消去]、[アピアランス]パネル下部の[アピアランスを消去]ボタン:テキストの場合はスミ文字に、図形の場合には塗り/線ともに「なし」に
- [アピアランス]パネルメニューの[基本アピアランスを適用]:複数の塗り、複数の線がある場合にはひとつだけ残る、塗りと線の順番は、線が上になる
- [ツール]パネルの[初期設定の塗りと線]ボタン:塗りは「白」、線は「1pt、黒」になる
設定箇所 | 挙動 | キーボード ショートカット | |
---|---|---|---|
[アピアランス] パネルメニュー | [アピアランスを消去] | テキストの場合はスミ文字に、図形の場合には塗り/線ともに「なし」に | なし |
[アピアランス] パネル下部 | |||
[アピアランス] パネルメニュー | [基本アピアランスを適用] |
| なし |
[ツール]パネル | [初期設定の塗りと線]ボタン | 塗りは「白」、線は「1pt、黒」になる | Dキー |
「アピアランスを消去」「基本アピアランスを適用」には、キーボードショートカットを割り当てることはできませんが、アクションには登録できます。
新規アートに基本アピアランスを使用
[アピアランス]パネルメニューの[新規アートに基本アピアランスを使用]も、これまたトリッキーです(デフォルトはON)。
たとえば、[新規アートに基本アピアランスを使用]がオンで、複数の塗りや効果などを適用したオブジェクトを作成します。
[ツール]パネルの[塗り]ボックスには、[アピアランス]パネルで選択されている[塗り]の情報が表示されます。
新しく図形を描くと、[ツール]パネルの[塗り]ボックス(および[線]ボックス)の情報が適用されます。
[アピアランス]パネルで、別の[塗り]を選択してから,
図形を描画すると、選択していたその塗りが適用されます。
一方、[アピアランス]パネルメニューの[新規アートに基本アピアランスを使用]をオフにしてみます。
すると、[アピアランス]パネルで最後に設定した情報が適用されます(その前のオブジェクトを選択しておく必要はない)。
ただし、([新規アートに基本アピアランスを使用]のオンオフにかかわらず)文字の場合には引き継がれません。これは「新規オブジェクト」ではなく、「新規アート」と呼んでいることからも納得できます。
ちょっとトリッキーなのが、塗りが白、線が1ピクセル/黒で、さらに[線の位置]を内側にしている場合、[アピアランス]パネル内に「1px 内側」と見えます。
[新規アートに基本アピアランスを使用]をオフにして描画すると、[線の位置]は中央に戻ってしまいます。
基本アピアランス
そもそも「基本アピアランス」が何か?ということですが、Illustrator 8.0までのオブジェクトの扱いと考えるとよいでしょう。
- [塗り]と[線]は、それぞれ1つずつ
- [塗り]よりも[線]が前面にある
- [線の位置]は「中央」