ちょっとややこしい「アピアランスを消去」「基本アピアランスを適用」「初期設定の塗りと線」「新規アートに基本アピアランスを使用」

この記事は鷹野雅弘によって執筆されました。
公開日:2014年5月28日、更新日:2015年1月 4日
 

[アピアランス]パネルメニューの[アピアランスを消去]、[基本アピアランスを適用]、[アピアランス]パネル下部の[アピアランスを消去]ボタン、[ツール]パネルの[初期設定の塗りと線]ボタンの使い分けがちょっとややこしいんです。

場所コマンド/ボタン文字図形
塗り塗り
[アピアランス]
パネルメニュー
[アピアランスを消去]なしなしなし
[基本アピアランスを適用]ひとつひとつ、上ひとつひとつ、上
[アピアランス]パネルアピアランスを消去(ボタン)なしなしなし
[ツール]パネル初期設定の塗りと線黒、1pt黒、1pt

appearance-reset.png

まとめ

  • [アピアランス]パネルメニューの[アピアランスを消去]、[アピアランス]パネル下部の[アピアランスを消去]ボタン:テキストの場合はスミ文字に、図形の場合には塗り/線ともに「なし」に
  • [アピアランス]パネルメニューの[基本アピアランスを適用]:複数の塗り、複数の線がある場合にはひとつだけ残る、塗りと線の順番は、線が上になる
  • [ツール]パネルの[初期設定の塗りと線]ボタン:塗りは「白」、線は「1pt、黒」になる
 設定箇所挙動キーボード
ショートカット
[アピアランス]
パネルメニュー
[アピアランスを消去]テキストの場合はスミ文字に、図形の場合には塗り/線ともに「なし」になし
[アピアランス]
パネル下部
[アピアランス]
パネルメニュー
[基本アピアランスを適用]
  • 複数の塗り、複数の線がある場合にはひとつだけ残る
  • 塗りと線の順番は、線が上になる
  • 効果は削除される
なし
[ツール]パネル[初期設定の塗りと線]ボタン塗りは「白」、線は「1pt、黒」になるDキー

「アピアランスを消去」「基本アピアランスを適用」には、キーボードショートカットを割り当てることはできませんが、アクションには登録できます。

AiCC-action-appearace-reset.jpg

新規アートに基本アピアランスを使用

[アピアランス]パネルメニューの[新規アートに基本アピアランスを使用]も、これまたトリッキーです(デフォルトはON)。

たとえば、[新規アートに基本アピアランスを使用]がオンで、複数の塗りや効果などを適用したオブジェクトを作成します。

[ツール]パネルの[塗り]ボックスには、[アピアランス]パネルで選択されている[塗り]の情報が表示されます。

新しく図形を描くと、[ツール]パネルの[塗り]ボックス(および[線]ボックス)の情報が適用されます。

[アピアランス]パネルで、別の[塗り]を選択してから,

図形を描画すると、選択していたその塗りが適用されます。

一方、[アピアランス]パネルメニューの[新規アートに基本アピアランスを使用]をオフにしてみます。

すると、[アピアランス]パネルで最後に設定した情報が適用されます(その前のオブジェクトを選択しておく必要はない)。

ただし、([新規アートに基本アピアランスを使用]のオンオフにかかわらず)文字の場合には引き継がれません。これは「新規オブジェクト」ではなく、「新規アート」と呼んでいることからも納得できます。

ちょっとトリッキーなのが、塗りが白、線が1ピクセル/黒で、さらに[線の位置]を内側にしている場合、[アピアランス]パネル内に「1px 内側」と見えます。

[新規アートに基本アピアランスを使用]をオフにして描画すると、[線の位置]は中央に戻ってしまいます。

基本アピアランス

そもそも「基本アピアランス」が何か?ということですが、Illustrator 8.0までのオブジェクトの扱いと考えるとよいでしょう。

  • [塗り]と[線]は、それぞれ1つずつ
  • [塗り]よりも[線]が前面にある
  • [線の位置]は「中央」

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