Illustrator?InDesign?どちらを選択すべきか
先日、次のようなご質問をいただきました。
イラレで作成したデータを印刷したときに「ルビがずれてしまった」という問題が発生しました。
原因は、文章の訂正により行が増えてルビがずれていたのですが、訂正個所より離れていたために気付かなかったということでした。 文章物ならインデザインで作成するのですが、デザイン性の高い物はイラレで作成します。 どのように作るのがベストなのか、或いは、ソフト自体の改良はないものでしょうか?
こちらへの回答をご参考までに。
こちらにも記載しましたが、下記などの点で、InDesignに優位性があります。
Illustratorが劣っているというわけではありませんが、Illustratorはあくまでもパーツ制作のツールというのが、CSの中でのIllustratorの位置付けのようです。
- ルビ(ふりがな)
- 段落境界線(段落前後に設定する罫線)
- 先頭文字スタイル(文字スタイル適用の条件設定)
- アピアランスを使わずに実現できるフチ文字(デフォルトで線が背面)
- インライングラフィック(文章中に挿入する画像)
- 表組み
ページものを前提にしたときには、さらに次に挙げるアドバンテージがあります。
- マスターページ機能
- 自動ページ番号
- ブック(複数のドキュメントをまとめ、ページ番号を通したり、スタイルを同期する)
- 目次と索引
そのほか、出力を前提とした次の機能などもあります。
- プリフライト機能(出力前のチェック機能)
- パッケージ(画像の収集)機能
ソフト自体の改良はないものでしょうか?
私の知る限り、アドビはIllustratorとInDesignの用途を切り分けており、上記についてIllustratorを強化することは当面ないと思われます。
どのように作るのがベストなのか
ルビをはじめとする上記のような要素がある場合、迷わすInDesignを選択されるのがベターだと考えます。
どちらが便利、というより、どちらが事故が少ないか、という観点でしょうか。
ご参考:
後者のあかつき@おばなのDTP稼業録にて触れられているInDesignにはほぼリアルタイムの自動保存機能があるは、アドビのすべてのアプリケーションに搭載して欲しい機能です。
追記(2016年4月):
パッケージ(リンク画像の収集)、自動保存は、Illustrator CCで実装されています。