アップグレード?Adobe Creative Cloud?迷う方への試算
CS6にパッケージを購入してアップグレードするか、Adobe Creative Cloudを導入するか、どちらを選べばよいかというご相談を受けたので、ちょっと試算してみました。
条件は次のような感じです。
- 現在、Design Premium(Web Premium)のCS5/CS5.5を持っていて、アップグレードを検討している
- アップグレード Sは1世代前のバージョンまで(今回だとCS5.5を所持)
- CS5.5のように、0.5刻みのバージョンアップが1年ごとに行われると明言されている
- Adobe Creative Cloudの発売記念価格は1年の契約(以降、定額に戻る)
今回 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | |
---|---|---|---|---|
CS6 | CS6.5 | CS7 | CS7.5 | |
Design & Web Premium 0.5アップグレード | 49,350 | 49,350 | 49,350 | 49,350 |
(累計) | 49,350 | 98,700 | 148,050 | 197,400 |
Design & Web Premium 整数アップグレード | 98,700 | 98,700 | ||
(累計) | 98,700 | 98,700 | 197,400 | 197,400 |
Adobe Creative Cloud | 36,000 | 60,000 | 60,000 | 60,000 |
(累計) | 36,000 | 96,000 | 156,000 | 216,000 |
Master Collection 0.5アップグレード | 67,725 | 67,725 | 67,725 | 67,725 |
(累計) | 67,725 | 135,450 | 203,175 | 270,900 |
グラフにすると、こんな感じで、Adobe Creative Cloudが一番割高になってしまっています。
そもそも、Design & Web Premiumと、全部入りのAdobe Creative Cloudを比べているので、Adobe Creative Cloudのお得感が少ないのは仕方がありませんMaster Collection 0.5アップデートを追加しました。
それでも、Adobe Creative Cloudを選択する理由は次のあたりにあります。
- アップグレード費用を分割して支払うことができる(初期投資が少ない)
- Touch Apps(タブレット用アプリ)なども、これから使いそう
- Muse/Edgeなど、これから追加されるアプリも使いたい
- 共有スペースなどが魅力的
よさげな感じもしますが、人気が出ないと、アドビはさりげなくサービス/開発をやめてしまうので、どうかな〜とも思ったり...
総合的に考えて、私はAdobe Creative Cloudを選択します。先のことはわからないし、とりあえず、この1年をやり過ごすのにコストが一番低いのはAdobe Creative Cloudですし。
追記
グラフにMaster Collection 0.5アップデートを追加しました。Master Collectionと比べると、全部入りのAdobe Creative Cloudは、Master Collection+Touch Apps+これからリリースされるアプリ+もろもろなので相当お得です。
しかし、ビデオ系に取り組まない方が現実的にみるべき数字は、Design & Web Premiumとの比較ですし、問題は「どれがお得か」ということよりも"使わないアプリがあると、なんだか損した気がする"という心理かな、と思ったり。
あと、TLP+アップグレードプランが一番安いよ、という声もいただきました。
追記2
cloudは新ver後に古いverが使えなくなる(FAQより)という陥穽怖い。
う〜ん、これだとInDesign、マジ困りますね。
追記3
意味がよくわからないのですが、Touch Appsは全部入りでついてくる、というわけではないそうです。
環境移行Q&Aガイド:どのように購入したらいいの? - Adobe Design Magazineをよーくみると、次のような但し書きが書いてあります。
- 4 発売時は、Touch Appsは全て別途購入が必要ですが、3つ以上のTouch Appsを購入いただいたお客様には、Creative Cloudの利用期間を一ヶ月延長いたします(対象は年間プランおよび12ヶ月版のみ)
う〜ん、アドビには、こういうのやって欲しくないなぁ。
追記(2012年5月1日):
FAQがどんどん増えています。
次期バージョンがリリースされた現行バージョンの製品は、次期バージョンのリリース後最長1年間使用し続けることができます。
InDesign(とかFlash)とか、バージョン依存のものを扱っている場合、これでは困りますね。私の場合、制作は最新バージョンでOKなのですが、検証作業のため、古いバージョンが必要です。
とりあえず、Adobe Creative Cloud申し込んでみたけど、困ったな...
追記(2012年5月4日):
このように比べて見ると、Adobe Creative Cloudのアドバンテージがハンパないですが、私の場合、Adobe Creative Cloudの部分が致命的すぎる...
パッケージ版 | Adobe Creative Cloud | |
---|---|---|
イニシャルコスト | 49,350円(CS5.5から) 98,700円(CS5から) | 3,000円 |
リリース後の新アプリ | ||
リリース後のバージョンアップ | (別途費用) | |
バージョンアップ後、 古いバージョンの利用 | ||
複数バージョンの利用 | ||
Mac/Windowsの選択 | どちらか | 両方にインストール可能 |
Touch Apps | 別途必要 | ▲(意味不明) |
タイトルとは裏腹に、何の参考にもならないけど、こんなインタビューが掲載されていました。
アップデート/アップグレードするかしないかは、ユーザーが選択できるそうですが、近年のAcrobatのアップデーターの悲惨な状況で、良識あるユーザーは気軽にアップデーターをあてることをやめてしまいました。
こういったことも「お偉いさん」はわかっていないんだろうな〜...
追記(2012年5月8日):
アドビストアにて、CS6への無償アップグレード付きのCS5.5が発売されています。
InDesignをお使いの方で、やっぱり5.5も持っておこうという方は、これが一番お得ですね。Suiteによっては、電話すると15%引きになることがあるようです。
一部量販店などにも、CS6への無償アップグレード付きのCS5.5が残っていると思いますが、発売日(5.11)で引き上げてしまうのが通例なので、狙うなら、この数日です。
追記(2011年5月14日):
残念ながら、Adobe Creative Cloudの発売日はさんざんだったようです。プリオーダーと同時に申し込んだ私のところに案内が来たのは、日付を超えてからでした。
理想的なサブスクリプションの目指すところ、って次のあたりがポイントになると思うんだけど、InDesignとかバージョンの依存するものを扱っている限り、厳しいですね...
- 変わったことを示すことが理由のUI変更(ぶっちゃけ変える必要がないのに変えるために変えたとしか思えないIllustrator CS6のペンツールの形状変更)
- ユーザーが同じバージョンを使うことによるスムーズなドキュメントのやりとり
金額でなくて、このあたりのビジョンを提示すべきだと思います。