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InDesignファイル(.indd)は下位互換性がないため、新しいバージョンで保存してしまうと古いバージョンでは開けなくなります。
InDesign CS4以降、IDML(InDesign Markup形式)というフォーマットで書き出すと、ひとつ前のバージョンで読み込むことができます。ただし、これは応急処置的なものと捉え、なるべく頼らないのが無難です。
InDesign CS6からは、別名保存のダイアログボックスで「IDML」を選べるようになりました(これまでは[ファイル]メニューの[書き出し])。さらに、「InDesign CS4以降(IDML)」のように、"ひとつ前"のバージョンでなく、InDesign CS4まで対応していることを明記しています。
表にまとめてみました。
作成バージョン | 方法 | フォーマット | 読み込みバージョン | |||
---|---|---|---|---|---|---|
InDesign CS3 | InDesign CS4 | InDesign CS5 | InDesign CS5.5 | |||
InDesign CS4 | 書き出し | INX | ||||
書き出し | IDML | |||||
InDesign CS5 | 書き出し | IDML | ||||
InDesign CS5.5 | 書き出し | IDML | ||||
InDesign CS6 | 別名で保存 | IDML |
CS6にパッケージを購入してアップグレードするか、Adobe Creative Cloudを導入するか、どちらを選べばよいかというご相談を受けたので、ちょっと試算してみました。
条件は次のような感じです。
- 現在、Design Premium(Web Premium)のCS5/CS5.5を持っていて、アップグレードを検討している
- アップグレード Sは1世代前のバージョンまで(今回だとCS5.5を所持)
- CS5.5のように、0.5刻みのバージョンアップが1年ごとに行われると明言されている
- Adobe Creative Cloudの発売記念価格は1年の契約(以降、定額に戻る)
今回 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | |
---|---|---|---|---|
CS6 | CS6.5 | CS7 | CS7.5 | |
Design & Web Premium 0.5アップグレード | 49,350 | 49,350 | 49,350 | 49,350 |
(累計) | 49,350 | 98,700 | 148,050 | 197,400 |
Design & Web Premium 整数アップグレード | 98,700 | 98,700 | ||
(累計) | 98,700 | 98,700 | 197,400 | 197,400 |
Adobe Creative Cloud | 36,000 | 60,000 | 60,000 | 60,000 |
(累計) | 36,000 | 96,000 | 156,000 | 216,000 |
Master Collection 0.5アップグレード | 67,725 | 67,725 | 67,725 | 67,725 |
(累計) | 67,725 | 135,450 | 203,175 | 270,900 |
グラフにすると、こんな感じで、Adobe Creative Cloudが一番割高になってしまっています。
そもそも、Design & Web Premiumと、全部入りのAdobe Creative Cloudを比べているので、Adobe Creative Cloudのお得感が少ないのは仕方がありませんMaster Collection 0.5アップデートを追加しました。
本日、Adobe CS6とAdobe Creative Cloudが5月11日にリリースされると発表されました。
- Adobe - アドビ システムズ、デザイン、Web、ビデオのプロフェッショナルのための新しいイノベーションを実現するAdobe Creative Suite 6を発表
- Adobe - アドビ システムズ社、Adobe Creative Cloudの提供を開始
ポイントは次のあたりです。
- Design PremiumとWeb Premiumが統合され、Design & Web Premiumに。
- Creative Cloudのメンバーシップは月額5,000円(年間プランの場合)。CS3.x、CS4、CS5、CS5.5の個人ユーザーには、月額3,000円の発売記念版(年間プラン)が期間限定で提供される
2012年4月24日、品川にてAdobe Creative Cloud発表イベントが開催されるそうです。すでに応募は締め切っていますが、ライブ配信が行われるとのことです。
Creative Cloudの全容は?
2011年10月のプレスリリースでは、次のように記述されています。
2012年早期までに、Adobe Creative Cloudは以下の項目から構成されるようになる予定です。
•アプリケーション:Adobe Creative Suiteに含まれるツールのポートフォリオ、ならびに本日発表された6種類のAdobe Touch Appsへのアクセスを提供します。これには、Photoshop®、InDesign®、Illustrator®、Dreamweaver®、Premiere® Pro、After Effects®など業界をリードするデスクトップツールやAdobe EdgeやMuseなどの革新的な最新ツールも含まれる予定です。
•サービス:タブレットデバイスに双方向コンテンツを配信するAdobe Digital Publishing Suite, Single Edition、ウェブサイト構築と管理のためのAdobe Business Catalyst、およびアドビ システムズ社が本日買収したTypekit Inc.のテクノロジーを通じてウェブサイトのデザインに使用できるクラウドベースのフォント(別途リリースをご覧ください)が含まれます。
•コミュニティ:クリエイティブに携わる人が、作品やアイデアを世界中の同業者と共有することのできる機能、およびプロフェッショナル間の連携を育むフィードバックやインスピレーション交換のためのフォーラムが用意されます。これにより、Adobe Creative Cloudがクリエイティブに携わるすべての人の中心になります。
その他、次のようなページが用意されています。
サブスクリプションの導入からCreative Cloudまで
日付 | イベント |
---|---|
2011年4月 | サブスクリプションプラン発表 (Design Premiumで月額12,000円) |
2011年5月 | CS5.5リリース |
2011年10月 | Creative Cloud発表 (個人向け5,000円、ワークグループ向け7,500円) |
2011年11月 | アップグレードポリシー変更 |
2012年1月 | アップグレードポリシー変更の変更 (2012年内はCS3/CS4もOK) |
2012年4月 | Creative Cloud発表イベント |
2012年5月?6月? | CS6リリース |
3-4製品以上使っている人にはリーズナブルというか現状維持的な感じですが、1つ、または、2つだけしか使っていない方には確実に割高になってしまいます。
最終的に、どのような内容になるのかを見守りたいと思います。
なお、Adobe® Creative Cloud™ Filesは、Adobe IDでログインできるようです。